講演会報告「性・いのちの尊厳ー私の問題が分かち合える社会にー」

 講師に佐藤和夫さん(元千葉大学教育学部教授)をお迎えした講演会『性・いのちの尊厳-私の問題が分かち合える社会に-』に31人が参加してくださいました。

 講演は、「私たちの社会はなぜこんなに希望がないようにみえるのか?」「一人ひとりの違いが見えにくくされて、違いを生かす社会になっていないのでは?」という佐藤さんの問いかけから始まりました。

 佐藤さんは、「問題の根本には、人間をどう捉えるのかという問いがあり、全ての人は皆同じ人間であるという概念の成立自体が、歴史的に見ても難しい」と指摘されました。人間の感情についても、「人間は自分の中にわいてくる感情を十分理解できているわけではない」「性欲・恋愛・友情といったものも社会が決めている感覚であり、自分を理解できていないことが多いのではないか」と述べられました。SNSについても触れられ、「みんなに合わせることしか話せない。私ならではの経験は、存在してはいけないかのようになってしまっている」と問題点を指摘されました。

 そんな世界に生きる私たちにとって今何が大切なのか。私の問題を分かち合える社会になるためには、どうしたらよいのか。佐藤さんは「いっしょに活動して面白い、語り合える文化を作っていくことが大切だ」と提案されました。互いの違いを認め合い、上下関係や社会的地位などの違いを越えて、語り合うことができる場を提供すべく、佐藤さんご自身も哲学カフェを主催し、新しい文化を作り出す活動をされています。深い問題意識に基づくお話でしたが、ご自身の経験も踏まえ、ユーモアたっぷりのお話で、あっという間に講演が終了しました。 終了後には、参加者どうしの交流の場もありました。それぞれが、自分の経験や考えを講演に重ねながら、話し合う時間になりました。短い時間ではありましたが、互いの違いを認め合い語り合う場になったように思います。私たちアフロッキーは、そんな交流の場を大切にしながら、今後も活動を続けていきたいです。(K)